東京都渋谷区代々木に鎮座する神社、代々木八幡宮(よよぎはちまんぐう)。
勝負運のご利益が得られることで古来より有名ですが、近年では芸能界からの注目もあり、出世運が上がるパワースポットとしても有名です。
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今回はそんな代々木八幡宮の「歴史」と「見どころ」について紹介します。
目次
代々木八幡宮の歴史
1644年:長い間荒廃していたが社殿などが再建される
1671年:元八幡から現在の場所へ遷座
1872年:本殿が再建
1889年:代々幡村代々木の鎮守になる
1900年:神明社と白山社を合祀
1901年:拝殿を新たに造営
1950年:境内から縄文時代の住居跡などが発見
2011年:八百年祭が行われる
代々木八幡宮は1212年に隠遁生活を送っていた、荒井外記智明(あらいげきともあきら)によって創建されます。
荒井外記智明は源頼家の側近・近藤三郎是茂(こんどうさぶろうこれもち)の家来にあたる人物。
ある日、荒井外記智明の夢枕に八幡大神が現れ、宝珠のような鏡を授かりました。
そこで元八幡の地に祠を建て、鎌倉の鶴岡八幡宮より主君である源氏の氏神である「八幡大神の分霊」を迎え入れたのが始まりと伝えられています。
代々木八幡宮は福泉寺(ふくせんじ)によって管理されていましたが、長い間ずっと荒廃していたようです。
社殿が再建されたのは1644年のこと。
1671年には元八幡から現在地へ遷座します。
明治に入った1872年に本殿が再建され、1889年には代々木村と幡ヶ谷村(はたがやむら)が合併することになり、代々木八幡宮は代々幡村が誕生し、代々幡村代々木の鎮守になります。
1900年に代々木村にあった神明社と白山社を合わせて祀るようになります。
この時に稲荷社・天神社・榛名社(はるなしゃ)を末社とし祀ります。
末社は枝社(えだやしろ)とも呼び、その神社の管理に属し、その神社の境内または神社の附近の境外にある小規模な神社のことです。
1901年に代々木八幡宮は拝殿を新たに造営。
1950年には代々木八幡宮の境内で発掘調査が行われ、縄文時代の住居跡などが発見されます。
2011年には9月23日、創建から800年を記念して八百年祭が開催されます。
創建800年を記念して社殿や社務所の増改築など境内が整備されました。
代々木八幡宮のご利益
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こちらが代々木八幡宮の得られるご利益と言われています。
代々木八幡宮の主祭神は応神天皇(おうじんてんのう)。
弓の名手であり源氏の氏神でもあることから、古くから「武勇の神様」として知られています。
相殿神は天照大神(あまてらすおおみかみ)と白山比咩大神(しらやまひめのおおかみ)。
天照大神は日本の最高神。
太陽や慈愛、真実などを象徴する最も尊い神様で皇室の祖先と言われています。
白山比咩大神は日本書紀において、イザナギとイザナミ夫婦の口喧嘩の仲裁に入ったことで有名です。
喧嘩の仲裁に入ったことから「縁結び」や「和合」の神として祀られるようになりました。
代々木八幡宮の見どころ
代々木八幡宮の見どころは沢山あります。
いくつかピックアップして紹介します。
訣別の碑
こちらは訣別の碑(けつべつのいしぶみ)です。
1909年に今の代々木公園一帯に、陸軍兵に戦闘技術を教える教練場が作られることになり、住民は立ち退きを余儀なくされました。
もともと、この地に住んでいた人達は、家族のように仲が良かったようです。
・地名が無くなること
これらを惜しんで、この訣別の碑が建てられたようです。
臼田亜浪の碑
こちらは俳人・臼田亜浪の碑(うすだあろうのいしぶみ)です。
「そのむかし 代々木の月の ほととぎす」と俳句が刻まれています。
臼田亜浪氏は17音の一句一句に自由な自然観を盛ることを求めた俳句誌・石楠花(しゃくなげ)の主宰です。
この碑は石楠花の創立20周年を記念して、石楠花同人の有志が1934年に建てたもの。
臼田亜浪氏は現在の代々木3丁目である、代々木山谷に住んでいたようで、その関係で代々木八幡宮に碑が建てられたようです。
大絵馬・代々木八幡縁起絵
大絵馬である代々木八幡縁起絵(よよぎはちまんえんぎえ)。
代々木八幡宮は1212年に隠遁生活を送っていた源頼家の側近で、近藤三郎是茂の家来にあたる荒井外記智明が創建しました。
その創建の物語を縦139x横186cmの大絵馬にした、非常に貴重なもので渋谷区指定有形民俗文化財になっています。
案内板が立てかけられた倉庫の中にあり、外から見ることができます。
大絵馬・神功皇后之図
大絵馬である神功皇后乃図(じんぐうこうごうのず)は、その名の通り神功皇后に関する神話の絵馬です。
神功皇后と赤ん坊の頃の応神天皇、そして従臣の武内宿禰(たけしうちすくね)が描かれています。
縦139cmx横194cmの大絵馬であり、代々木八幡縁起絵と共に、そのようなものが江戸郊外の代々木の地にあったのは非常に珍しいことのようです。
この神功皇后乃図も渋谷区指定有形民俗文化財になっていて、代々木八幡宮境内の倉庫の中にあります。
代々木八幡遺跡
1950年に境内の発掘調査がおこなわれ、多くの土器や石器とともに縄文時代中期の住居跡が発見されました。
境内には竪穴式住居が設置されています。
これは復元住居で、発掘のときに当時の住居の跡が1個分発見されたので、その上に当時のままの家を組み立てて作ったそうです。
金魚まつり
1900年に代々木八幡宮の本殿に合祀された神明社と白山社。
さらに代々木八幡宮に遷座した稲荷社・天神社・榛名社。
この五社の末社の祭礼を「五社宮祭」と呼びます。
「五社宮祭」は別名「金魚まつり」と呼ばれ、長らく地元の人に親しまれ毎年5月下旬に開催されています。
この祭りの日は「金運を上げる金の魚・金魚」にちなんで金魚のお神輿や金魚のお守りなど、境内が金魚グッズで溢れ返り、地元で非常に人気です。
明治から大正にかけて、池で金魚を飼うことが大流行したため、お祭りの日は天秤棒を担いだ物売りが盛んに商いに来たそうです。
5月5日には武蔵野国の総社である、東京都府中市の大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)で「くらやみ祭」といった有名な祭礼があります。
くらやみ祭で露天を張った商人が、甲州街道を引き上げていく
帰りの途中、代々木八幡宮の金魚まつりに寄り、残り荷をさばく
このような流れがあり、明治から大正にかけて「金魚まつり」は多くの人で賑わいをみせたようです。
出世稲荷
代々木八幡宮には、いくつかの境内社があるのですが、その中でもこの出世稲荷はパワースポットとして有名です。
出世や商売繁盛のご利益があり「代々木八幡宮の近くに引っ越すと大ブレイクする」といった噂が芸能界ではあるようです。
芸人の千原ジュニアさんが参拝されていたことでも有名で、多くの芸能人がお忍びで足を運んでいるようです。
まとめ
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以上、代々木八幡宮の「歴史」と「見どころ」について紹介しました。
代々木八幡宮は勝負運や出世運のご利益が有名ですが「猫スポット」としても有名です。
周辺に住み着く猫が集る場所のようで、境内のいたるところで猫を見かけます。
人に慣れた猫が多いようで、カメラを向けてもあまり逃げる様子ありませんでした。笑
猫は古来より「幸福を運ぶ神の使い」と言われています。
その意味でも代々木八幡宮は縁起の良い神社なので、是非足を運んでみてくださいね。
photo by mune(出張撮影キッズフォト)