根津神社の歴史

根津神社/つつじ苑だけじゃない!?知っておくと楽しい歴史と見どころ

東京都文京区根津に鎮座する神社。 それが根津神社(ねづじんじゃ)です。 江戸徳川家とも深い関係があり、美しいつつじを眺め … 続きを読む 根津神社/つつじ苑だけじゃない!?知っておくと楽しい歴史と見どころ


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東京都文京区根津に鎮座する神社。
それが根津神社(ねづじんじゃ)です。

江戸徳川家とも深い関係があり、美しいつつじを眺めることができる「つつじ苑」は非常に人気のスポットです。

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今回はそんな根津神社の「歴史」と「見どころ」について紹介したいと思います。

根津神社の歴史

根津神社の歴史

不明:創建
1469年~1487年:社殿が造営
1658年~1661年:2回ほど遷座
1706年:徳川綱吉の命により場所を移して社殿を造営
1714年:神田祭・山王祭と同格の天下祭が行われる
1868年:准勅祭社になる
1872年:卿社に昇格
1914年:府社に昇格
1931年:本殿・幣殿・拝殿・唐門が国宝に指定

根津神社の正確な創建年代は不明です。
だいたい1900年前には千駄木の地に存在したと言われています。

1469年〜1487年に江戸城を築城し江戸周辺の領主でもあった、太田道灌(おおたどうかん)によって社殿が造営されました。

1658年〜1661年には千駄木が太田氏の屋敷地になったので、根津神社は東側へ2回ほど遷座します。

1705年に五代将軍・徳川綱吉の跡継ぎとして指名された徳川家宣(とくがわいえのぶ)の江戸屋敷が根津神社に寄進されます。

1706年には徳川綱吉の命により、千駄木にあった根津神社は場所を移し社殿が造営されます。

この時に根津神社は、500石もの朱印地を与えられました。朱印地とは幕府より寺社の領地として、領有権の承認された土地のことです。

1714年には徳川家宣の命により、神田祭・山王祭と同格の天下祭が行われます。

明治元年の1868には、根津神社は准勅祭社(じゅんちょくさいしゃ)に並べられました。

准勅祭社とは明治天皇が東京の鎮護と万民の安泰を祈る意味で制定した、東京近郊の主だった12の神社のことです。

1872年に根津神社は旧社格制度の郷社(ごうしゃ)に昇格しました。その後大正時代の1914年に府社(ふしゃ)に昇格をします。

1931年になると根津神社の本殿・幣殿・拝殿・唐門が国宝に指定されます。

根津神社のご利益

根津神社 ご利益

根津神社では、このようなご利益を得ることができます。

・縁結び
・願望成就
・災厄除け
・邪気祓い
・五穀豊穣
・学業成就

主祭神としては以下の神様が祀られています。

・災難避けの神:須佐之男命(すさのおのみこと)
・農耕の神:大山咋命(おおやまくいのみこと)
・勝運の神:誉田別命(ほんだわけのみこと)

また相殿神としては以下の神様が祀られています。

・縁結びや国造りの神:大国主命(おおくにぬしのみこと)
・学問の神:菅原道真公(すがわらのみちざねこう)

このように、根津神社では多くの神様が祀られ、さまざまなご利益を得ることができますが、学生にとっては学問のご利益で有名です。

学問の神様である菅原道真公を祀っているのもそうなのですが、根津神社は夏目漱石や森鴎外などの文豪が愛したスポットでもあります。

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学問の神様は近くに湯島天神など有名な神社が他にもありますが、文豪パワーにあやかって根津神社の方に足を運ぶ学生が結構いるようですよ。

根津神社の見どころ

根津神社 見どころ

根津神社には沢山の見どころがあります。

ここでは、いくつかピックアップして紹介したいと思います。

朱色の大鳥居

境内の北口には朱色の大きな鳥居があります。
こちらは1996年に建て替えが行われました。

この鳥居付近は普段は広くて綺麗なのですが、お祭りの時などは露天がズラっと並び活気に溢れます。

楼門

こちらの楼門は1706年の徳川家による、大造営の際に建てられたものです。

境内の南側の表参道口から鳥居をくぐって進むと神橋があり、そこを渡ると、この楼門が見えてきます。

楼門とは又の名を随身門(ずいしんもん)と呼びます。

楼門(随身門)は、貴族の警護のために随従した近衛府の官人である、随身像を左右に安置した神社の門のことを指します。

実は根津神社の楼門の右側の青い服を着た随身像は、水戸黄門こと水戸光圀がモデルと言われています。

社殿

根津神社の楼門をくぐると、正面に社殿が見えます。こちらは1706年に五代将軍・徳川綱吉によって造営されました。

本殿と拝殿を幣殿で繋ぐ権現造(ごんげんづくり)の建物です。実は江戸の神社建築としては最大の規模です。

拝殿・幣殿・本殿は国の国宝(現代では重要文化財)に指定されています。

この社殿もそうですが、手水舎など根津神社のいたるところに、卍(まんじ)のマークがあります。

近年だと卍のマークは不良漫画で有名ですが、卍のマークは元々は仏教で用いられる吉祥の印です。吉祥とは幸福や繁栄を意味します。

卍マークはお寺の場所を示す印でもあり、現代では地図を見る時くらいしか目にしないかもしれませんが、明治以前の日本では身近なものでした。

明治に入り「神様と仏様は明確に区別しよう!」といった神仏分離政策により、この卍マークも使われなくなったのです。

根津神社は古い時代の建物がそのまま残っているので、神仏分離以前の神仏習合の時代の名残りがあるのです。

願掛けカヤの木

根津神社の社殿の前には、大きなカヤの木があります。

実はこのカヤの木は、かつて神の使いである白蛇が住みついており、人々が願いごとをすると不思議と願いが叶ったという言い伝えがあります。

それ以来「願掛けカヤの木」と呼ばれるようになったようで、木の根元にはたくさんの絵馬が下がっていたりします。

ちなみに「カヤの実」は漢方でも有名で、滋養強壮に効果があり、山梨県にはカヤの実の入った「かや飴」が郷土菓子としてあったりします。

「神の使いである白蛇」と「漢方などで有名なカヤの木」の組み合わせは「神聖×健康」で「願掛けカヤの木」が多くの人を引きつけるのも納得です。

乙女稲荷神社

根津神社の社殿の左手には、境内社である乙女稲荷神社(おとめいなりじんじゃ)があります。

「千本鳥居」と呼ばれる、美しい朱色の鳥居が立ち並び、インスタ映えする撮影スポットとして都内では有名です。

お宮参りや七五三の撮影でも人気のフォトスポット。

千本鳥居の途中には、六代将軍・徳川家宣の胞衣塚(えなづか)があります。

胞衣とはへその緒のことで、この地が徳川家宣の生誕地であることから、へその緒が納められた胞衣塚があるわけです。

乙女稲荷神社そのものは、少し高台にあり小川の近くにもあるため非常に綺麗な神社で、千本鳥居と同じく撮影スポットとして非常に良い場所です。

つつじ苑

境内の西側。千本鳥居のとなりに、つつじが大量に植えられた美しいエリアがあります。

かつて「つつじヶ岡」と呼ばれた場所で、この地は甲府藩主である徳川綱重(とくがわつなしげ)の江戸屋敷があった場所です。

徳川綱重は六代将軍・徳川家宣の父にあたる人物で、綱重が庭につつじを植えたことが、この「つつじ苑」の始まりと言われています。

つつじ苑は普段は入ることができず、毎年4月2日〜5月1日9:30~17:30に開苑します。入場寄進料は300円です。

約2,000坪のつつじ苑には、約100種3000株のつつじが咲き、4月の中旬や下旬から色とりどりの美しい姿を見せます。

つつじの見頃に関しては、その年の気候により開花が早かったり遅かったりしますが、だいたい4月中旬あたりに行けば間違いないのかなと思いますよ♪

根津神社の歴史と見どころまとめ

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以上、根津神社の「歴史」と「見どころ」について紹介しました。

根津神社は関東大震災や東京大空襲などの被害から免れ、奇跡的に古い時代の建築物が残る東京では非常に珍しい場所です。

美しさだけではなく、歴史の重みを直に感じられる場所でもあります。是非、根津神社に足を運んでみてください。

根津神社(文京区)の基本情報

文京区の根津神社 入口

住所〒113-0031
東京都文京区根津1-28-9
電話03-3822-0753
WEBサイトhttp://www.nedujinja.or.jp/

入口は3箇所ある

迷うほどの面積ではありませんが、入口(鳥居)が3箇所あるので、待ち合わせする場合など注意が必要です。

入口について〜3箇所あります〜

北口の鳥居、東口の鳥居、そして反対側の南参道の鳥居です。

南参道の入り口に一番大きな鳥居があり、正面入口になっています。

車で行く場合は、西口と北口のちょうど間に有料駐車場があり、こちらに停めてから入るかたちになります。

お手洗いの場所

西口前と表参道口の脇、2つお手洗いがありますが、どちらも綺麗に管理されています。

根津神社のトイレの場所
表参道入口のトイレ

パーキング・アクセス

根津神社のコインパーキング

春のつつじまつり開催シーズン、土日祝日、秋の七五三のハイシーズンは特に埋まりやすいので、お時間には余裕を持ってご移動ください。

コインパーキング

一番近いコインパーキングは、神社の真横に隣接していますので迷うことはありません。
信号(根津神社北口)からすぐの場所にありますよ。台数は25台ほど。

NPC根津境内/コインパーキング

根津神社の駐車場
上空から見た、根津神社の駐車場位置

北参道の鳥居から入り、本殿横に七五三のご祈祷、参拝、結婚式などの参列者様の専用駐車場(無料?)があると根津神社のサイトでは明記がありましたが、上空からの写真では確認ができませんでした。

車祓いをする場合はまた別の場所になるそうです。
また、表参道からは入れませんのでご注意ください。

車でのアクセス

首都高速5号線の飯田橋ICを下車。
その後、都道434号線を後楽園駅方面へ。

後楽園駅交差点を左折後、冨坂下交差点を右折。
国道254号線から国道17号線に入り向丘一交差点を右折すると到着。

電車(地下鉄)からのアクセス

・千代田線根津駅・千駄木駅、南北線東大前駅から歩いて5分ほど。
・三田線白山駅、出口A2から根津神社西口より歩いて10分ほど。
・南北線「東大前駅」から徒歩7分ほど。

都バスを利用する場合は

・上58(上野-早稲田)根津神社入口(徒歩1分)
・上60(上野公園-池袋東口)根津駅前(徒歩5分)
・上26(上野公園-亀戸)根津駅前(徒歩5分)
・草63(池袋東口-(巣鴨経由)浅草寿町)団子坂下(徒歩5分)
・東43(荒川土手-田端-東京駅北口)向丘一丁目(徒歩5分)
・茶51(駒込駅南口-本郷3丁目-御茶ノ水駅)向丘一丁目(徒歩5分)

文京区コミュニティバスB-ぐるを利用する場合は

・千駄木2丁目(徒歩2分)
・日本医大前(徒歩3分)