副業するならカメラマン

「副業するならカメラマン」を真に受けるのはやめなさい

「副業するならカメラマン」という本が話題になるほど副業として人気の出張カメラマン。実際のところはどうなのか、出張カメラマンを10年続けているKOBOがお話します。


この記事は約11分で読み終わります。

副業するならカメラマン

写真を生業にして10年以上が経ちました。どうもKOBOです。

SNSで発信しているのでもしかしたらご存知の方もいるかもしれませんが、今は沖縄と関東の2拠点居住をしながら撮影のお仕事を続けています。

今年はコロナウイルスの影響もあり、まだ春の撮影は自主的に控えまして、秋は七五三撮影を再開する予定です。

今日はカメラマンを副業として選ぶ方が増えているので、実際にこの業界の本当のこと、そしてこれから起こりうることをお話していきたいと思います。

⬇︎こんな方に向けた記事です⬇︎

カメラマンKOBO

KOBO

長い文章になってしまいましたが、副業として取り組もうとしている方、もしくは副業としてスタートしてみたけど全く集客が上手くいかない方には間違いなく有益なお話になっています。

副業するならカメラマン 実際のところは

写真のワークショップだったり、カメラマン育成講座が巷で流行っていますね。
僕もよく見かけることがここ数年で増えました。

ですがその数に比例するように、カメラマンの友人だったり、インスタグラムのDMで稼げないので困っているというような旨のメッセージをもらうことも増えました。
プロフィールを見てみると、ママカメラマンを目指す主婦の方や大学生、異業種からの転職?などいろいろです。

稼いでいる人は勿論いるけど、1割にも満たない現実があります。

僕は10年写真で食べていて今までお客様にも恵まれ、コロナの今年であっても秋のご予約は沢山頂いています。
自慢したい訳ではまったくなく、どうして差がついてしまうのか、そしてこれからどのようにしたらいいのかを書いていきます。

出張カメラマンとして活動するメリット・デメリット、そして今のあなたにできる対策を書いたので最後まで読んでくださいね。

参入障壁が低いものほど稼ぎにくい現実を知っておくこと

写真業に新規参入を考える

基本的にカメラマンではなくてもそうですが、参入障壁が低いものは基本的には稼ぎにくいです。

例えば、講座を数回受ければ免許がもらえてビジネスできるよ、などという謳い文句のビジネスって他にも沢山ありますが稼げている人ってほとんどいません。
少なくとも、僕は今までそんなビジネスで稼げている人に会ったことなんてありません。

以下の3つは稼ぎにくいビジネス

・少ない費用でスタートできる
・やりたい人が多い
・ワークショップや育成講座などのパッケージがある

特にカメラマン育成講座を受けた方が収入に繋がっていないケースが多いように見えますね。

ですがこれは育成講座そのものが悪いと言いたい訳ではなく…
そういうものだと理解はしておく必要はあると思います。

写真学校でも同じことが言えて、僕も写真学校を卒業していますが今も尚写真で食べられているカメラマンは100人に1人もいない現実があります。

では、カメラマンで今稼げている人はどんな特徴があるのでしょうか?

こんな不景気でも人気が集まるカメラマンの特徴

写真館やカメラマンから依頼をうけてコンサルティングのお仕事をさせて頂いていることもあり、沢山のカメラマンを見ていますが上手くいっている人には特徴があります。

お客様が絶えない出張カメラマンの特徴

(A) 経歴が長い(10年以上)
(B) 写真に特徴がある(誰が撮った写真なのか、写真を見ただけでわかるレベル)
(C) WEBやSNSの知識が半端じゃない
(D) ジビネス脳を持ち、投資として事業(写真業)をやっているという自覚がある
(E) 数字や根拠を大切にしている
(F) 常にお客様目線を忘れていない
(G) マメで丁寧、感情の起伏が少ない

カメラマンに限った話ではなく、フォトスタジオ経営者でもそうだし異業種においても当てはまることが多いかもしれませんね。

カメラマンとして経歴が長い

まずAから解説していきます。

人気のあるカメラマンは経歴が長いというのはある意味では当たり前でもありますが…
やはり長く続けることができている理由があります。

必ず何か一つ飛び抜けたものがあったり、B〜Gのどれかに当てはまります。

そして長く続けていることが信用になっているのは間違いありません。

お客様にとっては信用がとても大切で、出張カメラマンの売上の大半は七五三だったりするのですが、一生に一度の大切な記念日です。
自分がお客様の立場になって考えてみるとわかりやすいかもしれません。

どんな人に頼みたいと思いますか?考えてみてください。
やはり長く続けている信用は大きいですよね。

写真に特徴がある

写真のテイストがその人独特でファンを獲得しているカメラマンもいます。
このレベルに達するには、写真を見ただけで誰が撮った写真なのかわかるレベルにまで持っていく必要があります。

この人の写真はこんな写真!
と頭でイメージが浮かぶレベルと言った方が分かりやすいかな?

例えば分かりやすい例ですと、蜷川実花と聞けばどんな写真か大体の人はイメージが湧くかと思います。
このレベルまで行けば一人勝ちできる可能性はあります。

ですが…

これはかなり難易度が高いので、誰もが出来ることかと言えばそうではありません。
再現性が無いとも言えますね。

WEBやSNSの知識が半端じゃない

僕ももしかしたら、こちらに当てはまる1人かもしれません。
初めてWEBサイトを作ったのは18歳の時でしたので、かれこれ18年WEBをいじくって仕事していることになります(年齢バレるw)

写真館を3店舗経営していた時の集客も、ほぼWEBとSNSでの集客です。

グーグルのSEOに関する評価基準は刻々と変わってくるので、常にアンテナを貼りめぐらし勉強を続ける必要があります。

Googleのアップデートにより、上位表示していた記事やサイトがいきなり飛ばされることも珍しくありません(涙)

その度にSEOの情報収集をして、記事のリライトやWEBの再構築を繰り返し今があります(実体験)

この記事を読んで、「よし!WEBを勉強して上位表示させよう!」と簡単に思う方がいるかもしれませんが、新規ドメインが上位表示しずらかったり、長く運営していて評価が高いサイトからのリンクが多いような強敵サイトにはまず太刀打ちできませんので気をつけてください。

僕がZOZOTOWNというWEBサイトを立ち上げても、絶対に上位表示さきないのと同じ理屈だと思ってください。レジェンドに勝つにはレジェンドを超えるしかないのです。

そんなの無理ゲーじゃん!!と思われるかもしれませんが…

ただ、新規参入者でも勝てる方法があって、それは地域ナンバーワン戦略と、取られていない領域を探すことが重要です。

ジビネス脳を持ち、投資として事業(写真業)をやっているという自覚がある

好きな事を仕事にできる時代と言われていて、確かにそうだとは思いますが、やはりビジネスであるという事はしっかり頭に入れておく必要があります。

高いカメラを買うのも事業として考えれば「投資」ですし、自分が動く時間もコストである認識が必要です。

そこでどれだけのリターンを得ることができるのか。

そこの視点が抜け落ちている方が本当に多いです。

例えば、カメラ・レンズ・ストロボを揃えてカメラマン育成講座に通って100万円かかったとします。
(簡単に説明するために100万と書いていますが、僕は初期投資で300万以上かかってます)

そこでインスタで見た、1組8000円で撮影しているカメラマンさんがいたので8000円で計算してみると、何組撮影してペイできるのか…

ママカメラマンさんで、100万を売り上げるのに2年かかってしまったとしたら?
自分が動いた時間(コスト)を計算してますか?

事業計画をざっくりでも作ってみると、1組の単価を最低いくらもらわないと割にあわないかわかるはずです。

30万で買ったカメラ。2年使ったカメラの価値は半額くらいになっているはず。
ちなみに副業するのに高価なカメラをローンで買っている人もいるそうですがやめた方がいいです。

実際のところそれは「資産」ではないですよ。「負債」です。

投資した金額を回収するのにどれくらいの時間がかかるのか、まずは考えてみましょう。

そしてお客様からの予約が入らない場合はキャッシュフローはゼロです。
そうなった場合のリスクも考えておきましょう。

数字や根拠を大切にしている

こちらも先ほど書いた部分と重なるところもありますが、

・なんだか儲かりそうだから…
・流行っているから…

とか、そんな雰囲気に流されて副業をやらないことです。

よく調べて、実際の数字を根拠にすることが大切です。

例えば僕がスタジオをオープンする時には市役所に問い合わせて世帯数、こどもの数を調べた上で写真館が何店舗あって、予約の埋まり具合がどうか調べたし、メルマガ会員を数千人集めたところで1号店をオープンしました。

結果的に、予約は3ヶ月先まで埋まる人気店へ成長されることができました。

出張カメラマンはここ数年で驚くほど増えましたが、パイの大きさは残念ながら変わるどころか少なくなっているのが現状です。

ですが、まだこの地域はブルーオーシャンだなーと思うエリアは残っています。

常にお客様目線を忘れていない

こちらも本当に大切なことですが、意外とできていない場合が多いんです。

自分がいざカメラマンになってみると、自分の対応や写真を俯瞰できずにお客様目線に立てなくなってしまうことがあります。

カメラマンが良いと思う写真が、お客様にとって、どうってことがない写真だと感じていることも。

例えば、白いふかふかのマットの上で寝っ転がって笑っている赤ちゃんの写真を納品したカメラマンがいました。

ですがお客様はその写真を見て「あ、私でも撮れそう。お金払ってまで欲しい写真じゃないかも」と思ったのでした(涙)

また、コミュニケーションに問題があるカメラマンも残念ながら存在します。
僕も神社で何度も見ましたが、会話をほとんどしなかったり、はーい笑って!しか言わないカメラマン…

それでこどもが笑えるとでも思っているのでしょうか…
まあ思っているから言っちゃうのかしれませんが(汗)

こういった事はよくある話です。

プロだからこそ撮れる写真が欲しいんです。
そして欲しい写真も人それぞれでお客様によって違いがあるのも理解が必要です。

カッチリとした写真を重視しているのか、それより自由にしているところを自然な表情で撮影したいのか。
コミュニケーションをしっかり取りながら、お値段以上のサービスを提供していく必要があります。

マメで丁寧、感情の起伏が少ない

もしかしたらこれが一番大切なことかもしれません。

お客様とのメールでのやりとり、WEbやSNSの運用もしかり。
撮影したら納品が早いとか、そういったこと一つ一つが信用に繋がり口コミになり広がっていきます。

そして感情の起伏が少ないこと。
メンタルを一定に保つことって難しいかもしれませんがビジネスで成功するには必ず必要になっていきます。

ローマは1日にしてならず。
これと一緒で、ビジネスは1日にしてならず。です!

副業をするのにこれからマストで必要なスキル

出張カメラマンでもそうだし、他の業種にも当てはまることですが
客観的に経済のトレンドを俯瞰して見る。

ここめちゃくちゃ重要です。

セクターという考え方があり、セクターとは株の用語で業種のことを指します。

自分が副業をやろうと思っているのはどんなセクターに分類されているのか。
そしてそのセクターが今後どうなっていくのか知っておく必要がある訳です。

例えばサブスクエンタメというセクターが仮にあったとします。

コロナで遊びに行けなくなった人たちが、家にいる時間が増えてネットフリックスやAmazonプライムは伸びたそうです。

比例するかのように下落していくセクターも存在します。

例えばディズニーランドなどのテーマパークは、どれか1つのテーマパークが落ちていくのではなく、その業種に分類される全てのテーマパークが影響を受けるということです。

大体意味がわかってもらえたと思いますが、今後数年間は不況が続くと予想されます。

その不況下で、自分が副業をやろうとしているセクターに人々がお金を落としてくれるのだろうか。しっかり考える必要があります。

リスクの許容度も各家庭によって様々。

例えばパートナーに安定した収入があるのなら、カメラマンとして機材を揃えてチャレンジしたとしても気持ちに余裕を持って取り組めるかもしれないですし、事情は色々とあるかと思いますが上記に書いたことを参考に考えてみてほしいと思います。

これから副業としてカメラマンを始めようとしている方へ

この記事を読んで、出張カメラマンをやるのって実はかなり厳しいんだな〜と感じてしまった方もいるかもしれません。

多くの人が持っているイメージほど、けして簡単ではないこと。
そして覚悟がいるということです。

カメラは押せば写るんでしょ?
なんて思っている人がいるくらいですから。

でもどうでしょう。

出張カメラマンに限らず、稼ぐという事は何をやったって簡単ではないのも事実。

でもどんな仕事をやったって努力が必要なら、好きな仕事で努力をしてモノにするというのも全然アリだと思います。

実際に僕も10年食べていけてる訳ですし、最初は異業種からシフトしてカメラマンになった訳ですから。

僕自身は本気で取り組む人は応援するよ、でも簡単ではないよ、というスタンスです。

今すでにカメラマンをやっている方へ

今すでにカメラマンをやっていて、集客に困っていたり、経済的に困っている方は「こんな不景気でも人気が集まるカメラマンの特徴」で書いてあることで自分に足りていないところはどこなのか、一度確認してみてください。

全てをクリアしていないといけない訳ではないです。
戦略は人それぞれですので得意なところを伸ばしていきましょう。