秩父の北に位置する長瀞町(ながとろまち)にある宝登山神社。
長瀞町と言えば、岩畳や渓谷美を和舟で満喫できるライン下りなど、観光で人気の町ですね。
その中でも特に人気のスポットである「宝登山」に鎮座している神社です。
山の中にある神社ですから、四季折々の豊かな自然を楽しむことができ、山頂にある奥宮には、ロープウェイに乗って参拝できるレジャー要素も合わさり、年間を通じて参拝者が絶えません。
山頂は絶景!
冬には奥宮の手前にある、約15,000平方メートルの敷地に3,000本の臘梅(ろうばい)が咲き乱れ、その景色は見応えがありますよ。
秩父鉄道長瀞駅からも徒歩で15分ほど。
観光とあわせて訪れやすいのも嬉しいですよね。
秩父三社の一つでもあり、関東一円から、年間で数えると百万人規模の参拝者が訪れる神社でもあります。
※秩父三社(秩父三大神社)とは、三峯神社・秩父神社・宝登山神社(寶登山神社)。
こちらの3つの神社を、秩父三社と呼んでいます。
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宝登山神社がどんなところなのか、特徴や歴史、ご利益など、詳しく解説していきます。
目次
創建の言い伝え
宝登山神社はどうやって作られたのか?
それは西暦110年、ざっと1900年ほど前のこと。
国民的英雄である日本武尊(ヤマトタケル)が、現在の奈良県で強い勢力を持っていた大和朝廷の命を受け、東北地方平定のために派遣されていました。
その東征(とうせい)の帰り道、日本武尊は宝登山の近くを通った際に、美しい山の姿に惹かれて山頂を目指すことにしたんだそう。
しかし山を登る途中、突然の山火事に遭遇してしまいます。
彼らに命の危機が迫ったとき、黒と白の狼(オオカミ)がどこからともなくやってきて、火を消したんだそう。
その狼の助けを得て、日本武尊は無事に宝登山の山頂に辿り着き、神霊を祀られた事が創建の始めと伝えられています。
ちなみにですが、日本武尊がその当時に創建した場所は、今現在の宝登山神社がある場所ではなく、奥宮がある場所とされています。
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奥宮についても後ほど詳しくご紹介しますね。
※山火事を消して去っていった狼も神犬として神社に祀られています。
※歴史やアニメなど、度々出てくることが多い日本武尊(ヤマトタケル)は、第十二代天皇である景行天皇のご子息とされています。
火止から宝登に!?
日本武尊は、奇跡的に山火事から命を救われたことで、この山を火を止めると書いて、火止(ホド)と名付けたんだそう。
それからしばらくの時が経ち、数世紀後に2回目の奇跡が起こります。
弘仁天皇の時代(西暦810~824年)に、光輝く神聖な宝石(宝珠の玉)が山上に羽ばたいて飛んでいく姿を見つけ、「ホド」という名前は、現在の名前の宝登(ホド)と書くようになったそうです。
宝登山神社の御祭神と御利益
宝登山神社に祀られている御祭神は3柱になります。
①神武天皇 神日本磐余彦尊(かんやまといわれひこのみこと)
神武天皇(じんむてんのう)は、日本の初代天皇と言われていて皇室のご先祖様にあたります。
日本書紀に記載されている正式名称が神日本磐余彦天皇。
②大山祇神(おおやまづみのかみ)
山を司(つかさど)る神。
人の生活に欠かせない水に始まり、動植物、いわゆる山の幸を無限に恵み給う神。
③火産霊神(ほむすびのかみ)
ホは火を表し、ムスビは物を生成する神秘の力を表し、燃え盛る炎が人の生活に必要な様々なものを生み出して無限の幸を授けて下さると共に、火を司る。
初代の神武天皇、山の神である大山祇神、火の神である火産霊神。
こちらの3柱が祀られていることから、国家安泰、開運、長寿、豊作・豊猟・豊漁祈願、火災除け、郷土守護などのご利益があると知られていましたが、
近年は「宝の山に登る」という縁起の良さにちなんで、金運アップのご利益もあると言われています。
長瀞駅から宝登山神社までのアクセス
長瀞駅を出て、昭和レトロな街並みを眺めながらまっすぐ歩いていくと、「長瀞駅前」信号があります。
この信号前に、白く大迫力の大鳥居が。
こちらが参道の入口になります。
参道はかなり長い
ちなみにですが、参道はかなり長いです。笑
民営の駐車場やカフェ・ギャラリー、食事処が点在していますよ。
駐車場はいくつかありましたが、1日500円のところが多いです。
参道入口の鳥居から、10分ほど歩いていくと神社の入口に。
こちらには、お手洗いと参拝者専用の駐車場があります。
トイレは清潔感があり、綺麗。
もう少し進んでいくと、案内が出てきますので迷う心配はありません。
宝登山神社で参拝しよう
先ほどの入口から少し進んで行くと、右手に手水と階段が現れます。
階段を登ると本殿がありますよ。
![宝登山神社 本殿](https://kidsphoto.info/wordpress/wp-content/uploads/2024/02/hodosan-jinja-07.jpg)
①神前に進み姿勢を正します。
②背中を平らにし、腰を90度に折り、2回深いお辞儀をします。
③胸の高さで両手を合わせ、右指先を少し下にずらします。
④肩幅程度に両手を開き、2回拍手を打ちます。
⑤ずらした指先を元に戻し、最後にもう1回深いお辞儀をします。
本殿の脇には授与所があります。
伊勢の神宮大麻をはじめ、神社神札、家内安全、商売繁盛、火防盗賊除の神札参拝者の願いに応じた神札、お守りなどがあります。
御神籤(おみくじ)や絵馬を購入することもできますよ。
「宝」を守り、より豊かになるよう祈願したお守り「吉祥寳守」が人気です。
縁みくじや、扇子おみくじなど、ユニークなものもありました。
本殿の後ろ側には、末社がいくつかあるので、合わせてご参拝してみても◎。
ご祈祷も受けられる
宝登山神社では個人のご祈願も受け付けています。
拝殿に昇段し、祝詞をあげていただけますよ。
![宝登山神社 御祈願の受付所と待合室](https://kidsphoto.info/wordpress/wp-content/uploads/2024/02/hodosan-jinja-17.jpg)
御祈願の種類
お宮参り(初宮詣)・七五三・成人奉告祭・家内安全、火防盗賊除、身体健康、諸難除、身上安全、攘災招福、商売繁盛、業務繁栄、業務安全、安全無事故、良縁成就、学業成就、無病息災、心願成就、五穀豊穣、安産、厄除、合格、金運隆盛、開運、病気平癒、手術成功、就職成就、渡航安全、必勝、年祝い
御祈願の受付時間と値段
4月・5月・6月・7月・8月・9月
午前8時30分~午後4時30分
10月・11月・12月・1月・2月・3月
午前8時30分~午後4時00分
お申込み方法は当日社務所でのお申込みとなります。
ご予約は必要ありません。
ご祈祷にかかる費用(初穂料)は、お宮参り・七五三が5,000円〜。
厄払いなどその他が3,000円〜となっています。
電話番号 0494-66-0084
宝登山神社の末社
本殿の付近には、いくつかの末社がありますので、そちらもあわせてご紹介します。
↑日本武尊社(やまとたけるのみことしゃ)
御本社と最もゆかりの深い日本武尊(やまとたける)の御神霊を祀ったお宮。
5月2日(八十八夜)の奥宮祭には、御神霊を神輿に乗せて奥宮へ向かいます。
↑天満天神社(てんまんてんじんじゃ)
学問の神様である菅原道真公を祀ったお宮。
初天神には、児童・生徒が集まり、書き初めなどを奉納して学業向上を願う祭典が行われます。
↑宝玉稲荷神社(ほうぎょくいなりじんじゃ)
倉稲魂命(うかのみたまのみこと)を祀るお宮。
京都・伏見稲荷より勧請した由緒あるお稲荷さまです。
毎月15日にはお炊き上げ祭が、2月の初午には初午祭が行われます。
↑藤谷淵神社(ふじやぶちじんじゃ)
明治時代まで、藤谷淵村(現在の長瀞町長瀞)の各所にあった8社の神社を、この地に遷座し、たくさんの神様がこちらの1箇所(藤谷淵神社)に祀られています。
以下、御祭神になります。
・伊勢大神(天照大神/あまてらすおおかみ・豊受大神/とようけのおおかみ)
・八坂大神(素戔嗚命/すさのおのみこと)
・野栗大神(野栗大神/のぐりのおおかみ)
・諏訪大神(建御名方神/たけみなかたのかみ)
・琴平大神(大国主命/おおくにぬしのみこと)
・熊野大神(伊弉冉命/いざなぎのみこと)
・榛名大神(埴山毘売命/はにやまひめのみこと)
・竃三柱大神/かまどみはしらのおおかみ(奥津比古命/おくつひこのみこと・奥津比売命/おくつひめのみこと・火産霊命/ほむすびのみこと)
2月と10月の18日には春秋の祭りが、7月20日には八坂様の祭りが行われます。
忘れず写真に収めたい!
宝登山神社の見どころ
宝登山神社に行ったら、個人的にぜひ写真に収めてほしい見どころをご紹介します。
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絵になるところばかりです!
本殿の美しい彫刻
本殿、幣殿、拝殿から成る権現造りの本殿(社殿)は、明治初期に造り替えられたものなんだそう。
正面だけではなく、欄間や脇障子にも見事な彫刻が施されています。
彫刻には、「二十四孝」(拝殿右側の欄干)や「西王母」(本殿の欄干)といった中国神話の人物のほか、龍や鶴などの縁起の良い動物が描かれています。
鮮やかな色彩で見応えがありますねー!
この見事さ、海外でも話題になったそうで、平成23年にフランスで発売される日本の観光地を紹介するガイドブックである「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」にも掲載されたんだそうですよ。
鋳物製の天水桶
こちらは本殿前に設置されている鋳物製の天水桶。
昭和33年(1958年)4月吉日に奉納されたものです。
鋳造者は鈴木文吾氏。
文吾は川口市の鋳物師鈴木萬之助の三男であり、父の後を継いで国立競技場の聖火台を造り上げた人物です。
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川口市出身なので、個人的に嬉しくなっちゃいました。笑
縁むすび相生乃松
右にはクロマツ、そして左にはアカマツが植えられていますが、こちらは大正時代に昭和天皇の御成婚を祝って植えられたもの。
黒松は男、そして赤松は女とし、優雅で優しい趣があります。
美しい鳥居
参道に聳(そび)え立つ大鳥居とはまた違って、境内の中にある鳥居(弐之鳥居)は高貴な雰囲気で、また違った魅力があります。
神社の名称を掲げた額縁のような部分を「神額」と呼びますが、こちらのデザインも珍しいですよ。
大絵馬
弐之鳥居の前に設置されている大絵馬。
こちらはフォトスポットになっていて、参拝客が記念写真を撮る姿がよく見られます。
毎年、干支が変わる度、新しい絵馬に掛け替えられていますよ。
記念館
皇紀2,600年を記念して昭和15年に着工された記念館。
戦時下のため苦労の末、昭和17年竣工されたんだそう。
現在は齋館や催しもの会場として利用されています。
記念館の裏側に回ると小さな池があり、こちらもまた見応えがあります。
奥宮にも行ってみよう
本殿がある場所から少し離れた場所に、奥宮があります。
奥宮の現在鎮座している場所は、日本武尊(タマトタケル)が創建した場所と言われています。
![宝登山神社から奥宮へ続く参道](https://kidsphoto.info/wordpress/wp-content/uploads/2024/02/hodosan-jinja-okugu-sandou.jpg)
宝登山の山頂にあり、車では行けず、徒歩で行くかロープウェイで行くかの2択。
![カメラマンKOBO](https://kidsphoto.info/wordpress/wp-content/uploads/2019/12/kobo_plofile_191206-180x180.jpg)
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歩いていくには40分〜1時間ほどかかりますので、ロープウェイでの移動がおすすめですよ。
奥宮への行き方(ロープウェイ)
ロープウェイ乗り場は、宝登山神社の境内にあります。(本殿の反対側あたり)
ちょっとしたお土産売り場やスカイザーと呼ばれる無料休憩所などがあり、賑わいを見せています。
ロープウェイの運行時間と料金
ロープウェイは朝9時40分から第1便が出ており、平日は30分ずつ、土日祝日は15分ずつの運行となっています。
※混み合う時期(臘梅期・春・夏休み・紅葉期)は臨機応変に、平日であっても土日祝日時刻で動いています。
![宝登山ロープウェイのチケット](https://kidsphoto.info/wordpress/wp-content/uploads/2024/02/hodosan-jinja-36.jpg)
大人 【片道】700円 【往復】1200円
小人 【片道】350円 【往復】600円
土日祝日は混み合うので注意!
蝋梅や紅葉の時期、土日祝日はかなり混み合います…
運行しているのは、モンキー号とバンビ号の2台のみ。
![宝登山神社 ロープウェイ ばんび](https://kidsphoto.info/wordpress/wp-content/uploads/2024/02/hodosan-jinja-25.jpg)
乗れるまでに30分〜1時間かかってしまうことも。
![カメラマンKOBO](https://kidsphoto.info/wordpress/wp-content/uploads/2019/12/kobo_plofile_191206-180x180.jpg)
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1度に50名ほどしか乗れないようなので仕方ないですね。
山頂に着いたら
ロープウェイ乗り場の宝登山麓駅から山頂まで、乗ってしまえば約5分ほどで到着します。
山頂に着くと、お手洗いやレストラン、蝋梅園、動物園、奥宮までの看板が出てきます。
蝋梅園を通って奥宮に
![宝登山神社 蝋梅園](https://kidsphoto.info/wordpress/wp-content/uploads/2024/02/hodosan-jinja-27.jpg)
山頂駅に着いたらすぐ奥宮があるわけではなく、そこから徒歩で5分〜10分で奥宮に到着できます。
奥宮までの通り道に蝋梅園あり、入場料金もかからないので一緒に観光してみてはいかがでしょう。
![ロウバイ園の入口](https://kidsphoto.info/wordpress/wp-content/uploads/2024/02/hodosan-jinja-34.jpg)
蝋梅の開花時期は12月下旬から2月下旬。
早春の陽光を浴びて、透きとおるような黄色の花を咲かせる蝋梅(ロウバイ)。
凛と咲く姿はとっても美しいです。
広大な園地に約800株(約3,000本)が咲き誇り、濃厚な甘い香りに包まれます。
英名ではWinter Sweet(ウィンタースウィート)と呼ばれるんだそう。
それだけ甘い香りがするってことですね。
山々を見下ろす絶景
標高497mの宝登山頂から見える景色が絶景!
眼下に広がるのは秩父の町並み。
冬の時期に登れば、青く澄みきった空と可憐に咲くロウバイのコラボレーションを見ることができます。
そして秩父のシンボルである武甲山、鋸状の山容をした両神山などの山々。
ロウバイ園の敷地内に、梅園もあります。
ロウバイも梅の花も冬の花。
2月の中旬に足を運んだときには、両方楽しめました。
ロウバイの本数と比べると少しさみしいですが、こちらもまた美しいです。
奥宮(おくみや)へ到着
奥宮は山頂にあり少し奥まった場所にありますが、登山客なども含めて賑わいがあります。
参拝客が多い時期には、露店なども出ており、甘酒やおでんなどの販売がされています。
奥宮はこじんまりとした雰囲気で、本宮の本殿のような華やかさはありませんが、穏やかな山頂の空気に溶け込んでいます。
本殿とは異なる種類の御朱印をいただくこともできますよ。
こちらが鳥居と神額。
宝登山神社まとめ
いかがでしたでしょうか?
宝登山神社、ぜひ行かれたことがない方には行ってみてほしいです。
注意点としては、奥宮まで行く場合、山の上なので遮るものがないために吹き曝しでかなり寒いです…
自分が山頂に行ったときにも、風がピューピューと吹いていました。
また、ロープウェイの帰りもハイシーズンになると並ぶことになります。
冬の祝日に参拝に行った際には、行きは40分ほどでしたが、帰りは長蛇の列!
100メートルくらいの列になってしまっていて、2時間待つんじゃ!?と覚悟しました。笑
(結局1時間待たないくらいで乗れましたが)
帰りのロープウェイを諦めて徒歩にて下山する方もいましたが、帰りの下山コースはかなり急勾配そうで、きちんとした登山装備が必要そうでした。
また、車でお参りに行かれる時は、参拝者用の駐車場が一番近いのですが、台数が少ないので満車になってしまうケースも。
その場合、次に近い駐車場はロープウェイの駐車場になります。
![宝登山ロープウェイの駐車場](https://kidsphoto.info/wordpress/wp-content/uploads/2024/02/hodosan-jinja-47.jpg)
ロープウェイの駐車場は駐車可能台数もかなり多いので、満車になることは滅多に無いかと思います。
宝登山神社の基本情報
〒369-1305
埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1828
時間 境内自由(社務所は4~9月9~17時、10~3月~16時30分)
電話 0494-66-0084
WEB www.hodosan-jinja.or.jp
〒369-1305
埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1766-1
ロープウェイ山麓駅まで徒歩3分
駐車台数 約150台
駐車料金(1日) 普通乗用車500円、
電話番号 0494-66-3421